複雑系解析論講座 橋本研究室
小林 仁
リカレントニューラルネットワーク(RNN)はフィードバックを持っており、従来のフィードフォワード、Hopfieldモデル等と異なり、時系列データを容易に取り扱うことができる。
しかし、RNNは構造が異なるため、従来の学習則を直接適用することはできない。そのためRNN独自の学習則が必要となる。ここではそのなかでも基本的な学習則について紹介する。またRNNに対する学習則はいくつか提案されているが、各々は異なる特徴を持っており、実際にどれを適用するべきかを考えなくてはならない。よってここではそのような学習則の持つ特徴に関する研究についても要約する。
先に述べた特徴より、RNNは様々な時系列パターンの認識や生成に用いることができると考えられる。ここではどのような問題に、どのようにRNNを用いることができるのか、またどういった学習則を適用するのかといった実例を示すため、文法推論の問題を扱った2つの研究についても紹介する。