2.情報幾何の基礎知識


(8)アファィン接続その2〜接続係数,平坦性と共変微分

接続係数は、点p ごとに定まる n3 個の実数で、接続を導入することで見えてくる多様体の「曲がり具合」を示していると考えることができます。
一般にアファイン接続は無数に存在し、アファィン接続の接続係数は無数に存在します。

平坦性
 接続係数が0のとき、つまり多様体が「曲がっていない」とき、平坦な接続だといいます。
無数のアフィン接続が存在する中で、統計的モデルに対して平坦となるような接続を選ぶことが、統計的性質を幾何学的に取り扱う上で重要となります。

 一般に、計量と接続を外から与えてやることで、多様体の構造が決まり、平坦性が定義できるようになります。ある接続においては平坦となっても、別の接続では平坦にはなりません。接続とはそのようなものであることに留意しておいてください。

共変微分
 これは、基底ベクトル∂j を∂i 方向にうごかしたときに、∂j がどのくらい変わっていくかというベクトルを意味します。


Introductory Study of Information Geometry
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