2.情報幾何の基礎知識


(2)確率分布と幾何学その2

 前ページの例を幾何学的に比較してみましょう。

ユークリッド空間の比較

 正規分布のパラメタである平均μと分散σ2を軸とするユークリッド空間で比較して見てみると、下の図(a)のように、A-B と a-b の距離は等しく、前ページの図で見たような違いはわかりません。

分散の大小によって分布の距離が変わる空間での比較

 下の図(b)では、正規分布に適した空間(座標系)でA-B間とa-b間の距離を比較しています。これだと、共通部分の大きいA-B間距離のほうが、共通部分の少ないa-b間距離よりも小さくなっていて、AとBがより似た分布だと言うことがはっきりします。

 情報幾何は、この例で示したように、確率分布の特徴に基づいて、確率分布の幾何学的性質を解釈しようとするものです。


正規分布の「距離」はユークリッド的ではない

Introductory Study of Information Geometry
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