前ページの例を幾何学的に比較してみましょう。
ユークリッド空間の比較
正規分布のパラメタである平均μと分散σ2を軸とするユークリッド空間で比較して見てみると、下の図(a)のように、A-B
と a-b の距離は等しく、前ページの図で見たような違いはわかりません。
分散の大小によって分布の距離が変わる空間での比較
下の図(b)では、正規分布に適した空間(座標系)でA-B間とa-b間の距離を比較しています。これだと、共通部分の大きいA-B間距離のほうが、共通部分の少ないa-b間距離よりも小さくなっていて、AとBがより似た分布だと言うことがはっきりします。
情報幾何は、この例で示したように、確率分布の特徴に基づいて、確率分布の幾何学的性質を解釈しようとするものです。 |