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2024-7-12
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●ネットワーク科学

■'80-'90年代の複雑系から脱皮した新分野「ネットワーク科学」あるいは「複雑ネットワーク」をメインにして世界で戦ってるのは、日本では我々の研究室しかありません!
 遺伝子や代謝系の分子生物学的なネットワーク、人工物である通信インフラや電力網などのライフライン、さらにメールの送受信や社会的な知人関係など、現実のネットワークには驚くほど共通の構造が存在することが今世紀初頭に発見されました。全く異なる要素や仕組みにもかかわらず、こうした現実の多くのネットワークに共通の構造が現れるのは何故でしょう?
 それは万有引力のように普遍的なネットワークの生成原理があるからです。実は「金持はより金持になる原理」に従って、自分に都合が良い相手とつながろうとする効率重視の利己原理がら自然に出来てしまうのです。しかも残念ながら、そうした我々の身近にあるネットワークは効率的ではあるものの非常に脆いことも明らかとなりました。世界各地に頻発する災害等において電力・通信・物流・交通などの社会インフラがいかに脆く、甚大な被害を蒙ってることか、何とかしなければならない大問題です。
 そこで、次世代のネットワークをどのように設計構築したら良いのか?効率重視から脱却した全く新しい原理が求められています。我々はWWWリンク構造解析などの情報空間の研究をきっかけに日本の先陣をきって、フラクタル幾何学的なネットワークの自己組織/自律成長メカニズムや近未来の広域無線に着目した、災害やテロ攻撃に強い通信技術や、互いに協力して折れない組織の実現を目指しています。
 具体的には、ネットワークの自己組織化や自己修復、無人機による通信、インフルエンサーやコミュニティの抽出、大規模災害等への対策、分権型組織、分散コンピューティング、ソーシャルネット分析などについて、現実データとモデルの両側面から最適化手法やシミュレーションを通じて検討しています。


「研究室紹介ポスターPDF」PDF


「JST 研究開発の俯瞰報告書 システム・情報科学技術分野(2023) 2.6 通信・ネットワーク 2.6.8 ネットワーク科学」PDF


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